

「こまごめ」を愛する人びと=「こまごめ人」が発行するこまごめ通信。こまごめ人お気に入りの人やお店、風景を紹介します。
二〇二〇年、「駒込珈琲物語」という駒込を舞台にした小説が連載されていたのをご存知ですか? オペラ歌手であり、ライターとしても活動する藤野沙優さんの作品です。藤野さん自身が駒込で暮らすようになり、「この街に引っ越してきた主人公(栞)が育んでいく優しい時間」が流れる物語を描いてみたいと、始められました。
コロナ禍だった当時、こまごめ人も例にもれずステイホームを強いられていましたよね。家と近所で過ごす時間が多い中、毎週土曜に更新される「駒込珈琲物語」に癒された人も少なくなかったのではないでしょうか。こまごめ人お馴染みの場所がたくさん登場する「駒込珈琲物語」を、数回に分けて紹介させていただきます!
駒込珈琲物語 第一回(一部抜粋)
駒込の駅にはじめて降りた時に感じたのは、「なんだか、可愛らしい街だなあ」という第一印象。こじんまりとしたバスターミナルも、雰囲気の良さそうなピザ屋さんも、なんとなく愛らしい。駅前の橋の下には線路が走っていて、休日の午後は、親子連れやカメラを抱えた人々が身を乗り出すようにして、行き交う山手線を眺めている。その様子が微笑ましい。
ちょっと薄曇りの九月の日曜日、まずは街を知ろうと、あえてスマホでの検索はせずに歩き始める。JRの駅を降りて左側の南口には六義園、右側の北口には旧古河庭園があるという、ざっくりとした前情報だけを頼りに、あとはインスピレーションに任せることに決める。
ひとまずバスロータリーのある南口に降り立ったものの、右側の北口方面を眺めると大きくなだらかな坂が見えて、それが冒険心をくすぐった。ピザ屋さんの先も気になるけれど、どうせだったら冒険してみようと決めて、旧古河庭園方面に向かう。横断歩道の先に小さな神社を見つけたので、いいご縁が繋がりますように……と願いながら、五円玉を入れて、手を合わせた。
藤野沙優(ふじの さゆ)
ゴメスのこまごめでおかいもの(4コマまんが)

楽しみを創るこまごめ人
新緑がまぶしく、風薫る季節に、こまごめで開催された二つのイベントを紹介します。
一つ目は、駒込駅横の染井吉野桜記念公園で開催された「こまごめ駅前マルシェ」。「こまごめラバーの運営スタッフが一押しする地元駒込の“間違いない新定番”」と、その店主さんオススメのお店が集まりました。
BGMとして流れるDJたちの音楽が、会場を盛り上げます。おいしいごはん、おつまみ、お酒を愉しみ談笑したり、お菓子&コーヒーでゆったり一服したり、彩りを添えるお花屋さんで鉢植えを選んだり、八百屋で野菜をお土産にしたり……と、思い思いにマルシェを味わう人たち。会場の真ん中に鎮座する長いプールスティックは、こどもたちに大人気。海外出身の方も多く、まさに老若男女、誰もが楽しめるマルシェでした。
二つ目は勝林寺(駒込七丁目)で開催された「お寺deジャズ」。やまびあやか(駒込駅から徒歩一分のお店「Farm to Home」のコミュニティマネージャー)さんが企画・運営しています。
さわやかな気候の中、勝林寺の庭や目の前の公園ではマルシェが開催され、にぎわいを生み出していました。風が通り抜ける本堂にて演奏が行われ、大人も子どもも赤ちゃんも、さまざまな人々がジャズを楽しんでいました。この自由な雰囲気が「お寺deジャズ」の魅力。
こまごめを楽しむ人が増え、今度はこまごめに楽しみを創る人が増えてきています。「なんかこまごめって楽しそう」と人が集まってきたら、こまごめがもっと楽しくなる。
「住んでいるまちが楽しければ、人生はもっと楽しい」をモットーに、今日もこまごめ通信を作っていきます。
こまごめ通信編集部
こまごめ通信とは
こまごめ通信編集部と、こまごめ好きな方、こまごめを盛り上げたい方の有志によって作られるコミュニティペーパーです。一年分の記事をまとめた本(一~六巻)は、フタバ書店さんで販売中。お問い合わせは、下記メールアドレスまでご連絡ください。
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