こまごめ通信vol.72(2025年5月号)ができました

 「こまごめ」を愛する人びと=「こまごめ人」が発行するこまごめ通信。こまごめ人お気に入りの人やお店、風景を紹介します。

 春は短し? あっという間に初夏のような気候になりましたね。新緑と花のこまごめ散策を楽しみましょう。

こまごめぐり vol.4 春は出会いの季節

「いきなり話しかけてすみません、それゴメスですよね」

こまごめの小路を歩いていた時、前から外国人の男性。「最近、こまごめもいろんな国の人がいるなぁ」と思ってふと見たら、肩にかけているのが、こまゴメスのトートバッグ。気づいたら冒頭の言葉で話しかけていた。

するとその男性はパッと桜が咲いたような笑顔になって、「あなたも持ってますね!もしかして、描いた人ですか⁉」と日本語で言った。その日、私もこまゴメスのトートバッグを持っていたので、二人で記念撮影をした。

「私の妻もこまゴメスが大好きなんです。自慢します」と、さわやかな笑顔で男性は去って行った。

春は出会いの季節。こんな出会いもあった。こまごめのある公園で子どもを遊ばせていたら、欧米系のお母さんが、小さな子どもを追いかけながら「Смотреть(スマトリーチ:見て)!」と言った。「あっ!по-русски(ロシア語で)!」と思わず叫んだ。私はシベリア鉄道に憧れてロシアに二回行った。カタコトしか話せなくても、ロシアの人々の優しさに助けられて、楽しい旅をした。

そのお母さんはびっくりした顔をしたので、私はあわてて覚えている単語をつなげて「私はロシアに行ったことがあって、ロシアの人がすごく好きです。名前はヒロコです」と言った。お互い共通言語がほとんどないけど、話したいことがたくさんできて、一緒に花見をするような友達になった。

こんなこともあった。突然電話がかかってきて、「もしかして、名刺入れを落とされませんでしたか?」。その人は道端に落ちていた私の名刺入れを拾って、入っていた私の名刺に電話をくれて、さらに直接名刺入れを渡してくれた。「名刺の中に書いてあった、こまごめ通信が気になって……」と、電話で連絡をくれたのだそう。「こまごめっていい街ですよね」。待ち合わせたどらっぐぱぱすの前で、こまごめトークに花が咲いた。

私の家の前で欧米系のおじちゃんが困ってウロウロしていた。住宅街に珍しいな、迷ったかなと思って話しかけると、英語が通じなくてフランス語しか話さない。一緒に目的地に行くことにした。「日本で働く息子に会いに来た」とのこと。大きなキャリーバッグの中には、故郷のチーズフォンデュをたっぷり詰め込んできたらしい。親って、「子どもに故郷の味を食べさせたいものなのだなぁ」と、無性に感動した。

最近、こまごめには民泊が増えている。小さな道を曲がると突然外国の旅行者たちに出会う。住宅街の中の一軒家とか、商店街の中とか、生活感のある場所が人気みたい。

“酒満ぢうされど”の酒まんじゅうを「あのパンは本当においしい。あんこもいいけど、生地だけで味わいたいから“あんなし”を買う」と言ったアメリカ人、“ボンガトウ”の「レトロでモダンな感じがとてもオシャレ」と気に入ってくれたタタール人、”NannaNap & Coffee”で「街の情報がほしい」とこまごめ通信を読む中国系のカップル……。池袋でも、新宿でもなく、こまごめわざわざを選んで来てくれる人たち。

NHK WORLDの”Dive in Tokyo”で特集され、注目度があがったこまごめ。さらにいろんな人が来て、また新しい出会いがありますように。

織田博子(こまごめ在住のマンガ家)

ゴメスのこまごめでおかいもの(4コマまんが)

こまごめニュース

★五月二十四日(土)十一~十七時「こまごめ駅前マルシェ」開催! 「食べて、飲んで、笑うONE DAY」こまごめラバー集合だニャ~。詳細(instagram)はこちら

★「お寺deジャズ」六月一日(日)開催!勝林寺さんの素敵な本堂で聴くジャズライブは圧巻だニャ。マルシェは入場無料。
詳細(Instagram)はこちら

こまごめ通信とは

 こまごめ通信編集部と、こまごめ好きな方、こまごめを盛り上げたい方の有志によって作られるコミュニティペーパーです。一年分の記事をまとめた本(一~五巻)は、フタバ書店さんで販売中。お問い合わせは、下記メールアドレスまでご連絡ください。


発行:こまごめ通信 編集部
連絡先:info@komagome-tsushin.com

定期購読をご希望の方は こちら
バックナンバーはこちら


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です