こまごめ通信vol.36(2022年5月号)ができました

 

駒込を愛する人びと「駒込人」が発行するこまごめ通信。駒込人お気に入りの人やお店、風景をご紹介します。
五月晴れには、駒込駅や六義園、街路樹に咲くツツジやサツキが似合います。旧古河庭園のバラも見頃。桜以外も「お花見」が楽しいこまごめです。

食パンとの出会い

私はパンが好きである。出先では大抵パンを買って帰るし、有名なパン屋目当てにわざわざ出かけることもある。ただ、いわゆるパン好きは食パンやクロワッサンなどプレーンなパンに行き着くイメージがあるのだが、私は味や食材で変化のあるパンが好きだ。邪道なパン好きなのかもしれない。

そんな私が高級食パンのお店「一期一会」が新たにオープンすることを知った際の印象は正直あまり良くなかった。過去に高価な食パンを食べてみたこともあったが、食パンなら家でホームベーカリーで焼いても十分美味しく、そこまで価値を見出せなかった。しかし一応パン好きを自覚する者として、駒込に新しくできたパン屋に行かないのもどうかと思い、足を運んでみたのである。

まず、高級食パンのお店というとプレーンしか置かないところもある中で、味が色々とあることが自分にとってはありがたかった。そこから私はくるみレーズンをチョイスして食べてみた。耳までとても柔らかく、パン自体もほんのり甘く、手が止まらない。買う時には食べ切るのに何日かかるかと心配していたのだが、油断しているとあっという間に食べ尽くしてしまいそうだ。それからはすっかりお気に入りである。

ちなみに、このお店は埼玉を中心に展開しているらしく、都内の店舗は限られているようだ。埼玉寄りの東京北側に店舗を構えているのは納得できるが、あえて駒込というのが興味深い。渋いチョイスである。いや、駒込という街のポテンシャルからすると、何も不思議なことはないのかもしれない。清澄白河のブルーボトルコーヒーよろしく、海外有名店の国内第一号店舗が駒込にできる日もそう遠くないのでは……?話が飛躍し過ぎか。

呉正平(ゴメスを溺愛する三十六歳)

音楽がある街、こまごめ

勝林寺の本堂にバイオリンの音が響いた瞬間、「こんなに豊かな音を聞いたのはいつぶりなんだろう」と思った。「お寺deジャズ」が二年ぶりに帰ってきた。

二〇二〇年四月の緊急事態宣言以来、音楽のイベントは軒並み中止になり、「お寺deジャズ」二〇二〇年は中止になってしまった。オンラインでのやりとりが当たり前になって、それでも日常をなんとか回してきた。

それで、意外となんでもできるなって思っていた。けど……「みんなでどこかに集まって、生の演奏を聞く」という体験は、やはりかけがえのないものだった。「いまここ」で起こっていることには、圧倒的なエネルギーがある。

「お寺deジャズ」は、みんなが待ち望んだ「いまここ」にあふれた素晴らしいイベントになった。

笑顔があふれ、対話が生まれ、人が出会う。恐怖や自粛でガチガチだった心と体がほぐれていくのがわかる。コロナの前には当たり前だったことが、こんなにも人生やまちを豊かにしていたんだなと気づく。

「お寺deジャズ」が当たり前にある、そんな幸せが続く世界を祈ってます。

織田博子(こまごめ在住の漫画家)

※「お寺deジャズ2021」の様子はこちら

こまごめニュース

★「こまごめ通信本③」が四月三十日(土)に発売となりました。発売日当日に開催された「ヒト・モノめぐり市」に駆けつけてくれた方、フタバ書店さん、comaさん、un putitさんで本を手に取っていただいた方、毎月の「こまごめ通信」を楽しみにしてくれている方、たくさんのファンに支えられていると実感しています!(編集部一同)

★アザレア通りにアメカジ雑貨・洋服店「anything else?」さん、巣鴨駅近くに「カフェ・ポート・ブルックリン」さんの支店第一号「カフェ・ポート・グラスゴー」さん、本郷通り沿いには高級「生」食パン専門店「乃が美」さん等々、このところ続々と新しくお店がオープン!まちに変化、賑わいが生まれるとワクワクしますね。

こまごめ通信とは

 街を行きかうこまごめ人が、自分たちの好きな場所について静かに語る。こまごめへの愛をひっそり描く。
 この街で生活する人たちの息遣いが感じられるような、そんなコミュニティペーパーです。一年分の記事をまとめた冊子「こまごめ通信本①~③」は、フタバ書店さんで販売中です。


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発行:こまごめ通信 編集部

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