こまごめ通信vol.2(2019年5月号)ができました

駒込を愛する人びと「駒込人」が発行するこまごめ通信。第二号の今回も、駒込人お気に入りのお店や場所、そして人を紹介します。 わざわざ遠出しなくても、駒込の気になるお店に入るだけで新鮮な休日になるかも。

茶店のカウンターから

 5月になると、その人はいつもの大きなバイクを自転車に変え、黄色いモッコウバラを前カゴと後ろにいっぱいに積んで街を走る。コーヒーを飲むついでに「モッコウバラいります?」と可愛い花のたっぷりついた少しの枝を分けてくれ、少しだけ減ったモッコウバラをまたたんと抱えて自分の店へ戻る。

 わたしは彼を心の中でモッコウバラおじさんと呼んでいる。モッコウバラおじさんの奥さんはお菓子を作るのが上手で(お気に入りはキャロットケーキ!)、あっけらかんとした気持ちのいい女性。モッコウバラおじさんはあるときコーヒーを飲みながら「自分の店の前を朝顔ロードにしたいんですよね」と話してくれた。素敵ですね、クラウドファンディングしたら鉢とか買えそうですね、50mくらい朝顔にして、花が金網を這ったら綺麗だなと思って。なんて夢のある話をしていたら後からやってきたモッコウバラ夫人は「そんなのその辺に種パーって撒いておけば勝手に生えるわ」と一蹴するのでわたしはモッコウバラおじさんの切ない顔を見つけて笑った。こんなモッコウバラ夫妻のバランスが愛しい。そろそろモッコウバラが美しい季節です。

しば田ゆき(百塔珈琲Shimofuri 店長)

息遣いのある本屋

 本が好きなので本を良く買う。大手の本屋はもちろん、ネット通販も便利で良く使う。ただ本を買うだけなら、それで事足りるように思うのだけど、なぜか近所の『フタバ書店』さんにはふらっと寄ってしまう。

 雑誌や漫画、小説はもちろんだけど、科学、哲学、歴史、料理、健康法など色んなジャンルの本が小さな店内に並んでいるので、なんとなく眺めてしまう。その時々の話題の本や売れ筋の本が並んでいたりして、そのうち棚から外れていたりする。そうして少しずつ本は流れていくのだけど、それに紛れて、面白そうな本やら装丁な綺麗な本、マニアックな題材の本に出会うことがある。特に有名というわけではないし、話題になっているわけでもない。なんでその本があるのか、いつも不思議に思う。

 本と出合う、という経験はなかなかないように思う。大手の本屋やネット通販はなんでもそろっているけど、どんどん新しい本が流れ込んで棚に並び、いつのかにか消えている。そのなかで本を買うとなると、どうしてもお目当ての本や興味のあるジャンルを目指してアクセスすることになる。でも、フタバ書店さんでは少しずつ本が流れている。そして、その流れにはどこか店長さんの息遣いが感じられる。人の体も日々循環していくけど、どこかその息遣い、佇まいにその人らしさがあるように。そして、人と付き合っていると意外な面や素敵なところに出くわすように、フタバ書店さんに通っていると、ふと素敵な本に出合うのだ(取りよせもしてもらえます)。

山本尚樹(麺屋KABOちゃんの常連)

笑顔おすそ分け 商店街のお肉屋さん

 もし信号が赤で、たまたま交差点を渡れなかったら買おうかな。そう思いながら歩いていると、十中八九は信号に引っかかる。「コロッケひとつお願いします」

 霜降銀座商店街の入り口ちかくにある『肉のホンダ』。屋外照明の電灯に、ペットボトルを切った雨除けが被さっていたり、赤、青、緑のポスカで書かれた店名の看板(?)が掛かっていたりと、手作り感溢れる外観にも愛着が湧く。駒込駅北口から坂を下ってゆくと、霜降橋交差点と信号が見える辺りから、無意識に歩みを調節しているのかもしれない。そうして、・・・運良く信号に引っかかる。

 注文すると、店主が笑顔で応える。「ソースかけときます?」家に着いてから食べるつもりが、帰路の途中で頬張るわたし。甘さ控えめのすっきり味のソースが、ホクザクのコロッケによく合うのだ。

 初めてお肉を買った日、鶏肉を頼んだら、「切りましょうか」と言われて驚いた。え?切ってくれるの?しかも好みの大きさに?以来、(最初は控えめに、次第に大胆に!)いろいろお願いするように。「今日はから揚げにしたいので」「今日はソテー用に豚肉を」その度に、「ひとくち大?小さめにする?」「スジ切っときましょうか?」「お肉たたいとく?」と、さらに上乗せサービス!少ししか買わないのに、手間をかけさせて申し訳ないなと思いつつ、つい厚意に甘えてしまう。

  料理をし始めたころ、そもそもどういう下ごしらえをしたら良いのか知らなかった。だから「肉のホンダ」での会話が、実はお肉料理の師匠。

 まだ試していない食材やお惣菜もたくさんある。これからもお世話になります!

くれまちこ(駒込レベル中級ライター)

駒込を楽しみ隊


ビジュアルシェアの達人・岡野康之さんの写真

 

 フェイスブックのグループ「駒込を楽しみ隊」でのニュースは「駅前の『セシル66』がいつの間にか『ラソンブル』という店に変わってた」と岡野さんがレポート。今回写真を投稿してくれたあゆみさんはさっそく行ってみて「サンドイッチがおいしい」「居心地よい」とリポート。情報が早い!

 また、『麺やKABOちゃん』の復活は嬉しいニュースでした。初日に行ったけど、すでに行列が…。

 フェイスブックで「駒込を楽しみ隊」で検索してみてください。どなたでも参加できます。駒込を楽しみ隊のウェブサイトもご覧ください。こちらはこれから情報を充実させていきます。

編集後記

 第一号を発行するや否や、大反響をいただいたこまごめ通信。さっそく第二号も作りました。オフ会もとても盛り上がっていて、駒込の外からも人が来てくれました。ぜひ、遊びに来てください。(織田)

発行:駒込を楽しみ隊 編集:織田博子

協力:百塔珈琲shimofuri

連絡先:komagome@meetsmeals.com


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