駒込を愛する人びと「駒込人」が発行するこまごめ通信。今月は霜降&染井銀座商店街特集号!駒込を代表する観光名所でありながら、住民に寄り添い地元を支える、大事な生活の場でもある商店街。
どんなお店があるのか、ちょっくら覗いてみましょう!
Contents
こまゴメスのこまごめでおかいもの vol.3 こまごめでわらしべ長者
茶店のカウンターから
ラーメン。多くの人を魅了してやまない食べ物だといいます。わたしは友人たちのラーメンの話には口を噤んでしまうくらい、全く興味がありませんでした。
小さな店内には少々不似合いとも言える美味しそうな見た目の男性は、だしのにおいをさせて珈琲を飲みに来ます。ラーメン業界ではちょっとした有名人らしいカボさんは、いつも美味しい話を美味しそうにしてくれる。
カボさんのラーメンを食べるようになって、初めてラーメンという食べ物に意識が向くようになりました。ラーメンに個性が出て面白いとはこういうことなんだなと。
こうやって暮らしの中から生活がちょっとズラされることは、自然なことだけどとても奇妙なことで、こういう小さくて大切な変化をもたらしてもらえることを尊く思います。
カボさんが店に来てくれなかったらわたしはラーメン屋の暖簾を気にすることはなかったでしょう。
カボさんが体調を崩しておやすみしていた時、お店の前で立ち往生する人は後を絶ちませんでした。心配した常連さんがわたしの店にたくさんやってきました。みんな心配した様子で、わたしは「もう!こんなにみんなの心を砕かせて!」と思っていたけれど、しばらくして、ああカボさんの常連さんの気持ちはそんな程度ではないんだなということに気づいてからは、「ああ、好きなだけ休むといいな」と安堵したものです。みんなが楽しんでいるのはラーメンの味だけじゃないのですね。
「麺屋KABOちゃん」は創業から六年。お隣で見ていると長いと思うけど、業界から見るとまだまだきっと先は長くて。こうしてもがき続ける先輩の背を見てわたしも上を向くことに終わりはないなと感じます。
わたしたちはいつもいつまでも道の途中ですね。まだまだ一緒に美味しいものを作っていきましょう。美味しいラーメンを久しぶりに食べたい。
しば田ゆき
好きになっちゃう こまごめ
グングン大きくなるにつれて、運動量も爆発的に増え始めた娘の足にちょうど良い靴はないかと「パリーシューズ」さんにご相談した時。娘の足の形をパッと見てそれはそれは温かい笑顔で「お嬢ちゃんの足にはコレだね」と数ある靴の中から、真ん中に小さなリボンの付いた、ピンク色のスニーカーを選び出しておススメしてくださった。
その靴を見た娘は「これがいい!」と満面の笑顔でキラキラ。「この靴なら、どこでも元気いっぱいに走って遊べるよ」。
そう言って新しい靴を娘の足に履かせてくださる姿に、ヤンチャ盛りの娘の成長を全肯定して、一緒に見守ってくれているような気持ちになって、いつまでも温かさが心に残る日になった。
カーン未花(ムガルカフェの奥さん)
商店街、ピンチを救う!
台風一過。先月十三日は、十月も半ばだというのに28度を超す蒸し暑い日となった。
家の周りをザっと点検したあとに向かったのは霜降銀座商店街。ここは地形的に水が集まりやすい。昨年七月、水道管が破損して水浸しになったこともあり、気がかりだった。
外からは細かいところまで分からないが、大きな被害は無さそう。いつもと変わらぬ往来を見て、ようやく胸をなでおろす。
思い出すのは初めて駒込で冬を迎え、大雪が降ったある日。その頃、私はまだ商店街を甘く見ていて、雪かきなんて売ってないだろうという気持ち八割。しかし、日用品雑貨店を見つけ、中を覗こうか迷っていると、いきなりお店の人が「もしかして、これ探してます?」と軽くて丈夫なアルミスコップを指した。
お店の名前は「あんぱちや」。実は随分後になってから店名を知った。店の軒下に、小さな看板が控えめにぶら下がっている。
またある日、自宅にて家具の大移動を始めて数時間後。ベッドを半分解体したところで、家にドライバーが無いことに気づいた。このままでは今夜、床で寝るしかない……。気力を失い、いったん「百塔珈琲shimofuri」に避難。カフェラテを飲み、気持ちを立て直す。そして意を決して「あんぱちや」へ!すると案の定、先端に磁石入りの立派なドライバーを発見。困ったときの「あんぱちや」だ。信頼は厚い。
今や商店街は自宅の延長である。「私の庭」と言っても過言ではない(笑)。もし商店街にピンチが訪れたときは、何か力になりたいと思うのです。
くれまちこ(駒込レベル中級ライター)
お詫びと訂正
十月号のMAPで「閉店?」と紹介した「スナック千」さん(東京都北区西ケ原一丁目四六-一八 パールハイツ)は、現在も営業中でした。謹んでお詫びし、今度伺おうと思います。
駒込ニュース
「マルイケハウス ドキュメンタリー 上映会」
11月30日(土)、12月8日(日)開催
田端銀座の近くに佇む築55年のアパート、通称「マルイケハウス」。この存在を知る駒込民は少なくないでしょう。二〇一九年暮れに取り壊しが決まったマルイケの記憶を残した、山田徹監督のドキュメンタリー作品の上映会が開催されます。