こまごめ通信vol.29(2021年8月号)ができました

 駒込を愛する人びと「駒込人」が発行するこまごめ通信。駒込人お気に入りの人やお店、スポットを紹介します。
 こまごめ通信の編集メンバーが体調を崩していたため、八月号がのんびり発行になりました。すみません。マイペースなこまごめ通信をこれからもよろしくお願いします。

夏はやっぱり蝉の声

 案外こまごめは緑豊かだ。街路樹や公園、寺社、染井霊園(MAP①)、六義園(②)、旧古河庭園(③)など、万遍なく緑が存在している。それはとても有り難く素晴らしいのだが、ひとつだけ懸念があるのです。

 それは蝉。

 西ヶ原子どもセンター(④)や滝野川図書館(⑤)に行く途中、よく旧古河庭園の近くを通る。八月にもなると、うるさいくらいの蝉の声。夏の風物詩として情緒を感じる一方で、たくさんいるであろう蝉本体を想像して震え上がる。一生懸命に生きて鳴いている蝉が聞いたら憤慨するかもしれないけれど、どうしても苦手なのです。

 なので旧古河庭園の側道を通るときは、できるだけ塀から距離をとる。先日、降り注ぐ蝉の声に「夏だねぇ」と呟きながら歩いていたら、滝野川会館前歩道橋の階段中ほどに、蝉が一匹落ちていた。一瞬セミ爆弾かと身構えたが、しっかりお亡くなりあそばされていた。

 しかし思い返してみると、その一件以外に蝉は目撃していない。あれだけたくさんの蝉の声が聞こえるのだから、もっと蝉の亡骸に遭遇してもおかしくないのだが、意外にもこの夏通して一匹だけ。ひょっとして、区の清掃ボランティアの方、はたまた旧古河庭園関係の方が、そっと埋葬してくれているのだろうか?

 蝉の「声」だけ堪能したいというわがままが叶う、こまごめの夏でした。

くれまちこ(駒込レベル中級ライター)

※2022/5/2 ⑥市電車庫跡は「神明車庫」です。訂正いたします。

駒込神明町の思い出

 「こまごめ通信」ありがとうございます。私は昭和十二年、本郷区駒込神明町一八一番地で生まれました。

 市電車庫(跡地、⑥)の近くの、今の不忍通りに面した三角形の土地の一軒で漢方薬局でした。近くの「ハチの原っぱ」や神社が遊び場でした。

 行動範囲はせいぜい六義園まででしたので、有線(山手線)の外側は子供のころは余り馴染はありませんでした。

 「こまごめ通信」を拝見すると霜降銀座(⑦)等楽しい処が沢山あるようですので、コロナが収まったらゆっくり歩いて見たいと思っています。

竹川さん(「こまごめ通信」読者)
※()は編集部補足です。

初心者にもおすすめの店

 「コロナで駒込が遠くなってしまった」という声を聞き、今のこまごめを伝える記事を書こうと思いました。今はやりの、バーチャル散歩(ただし文字の)です。二〇二一年のこまごめの景色をお楽しみください。

 駒込駅の東口(駒下)を出ると、目の前にパン屋のサンエトワール跡地(⑨)にビルを建設中。隣のパチンコ屋さんは入ったことはないけど、昔からありそうな雰囲気。さつき通りをまっすぐ行くと、右手にはみんな大好きボンガトウ(⑩)。夏はかき氷やソフトクリームがおいしい、昔ながらの洋菓子屋さん。川端康成の書があった洋菓子店・CADOT(⑪)は二〇一七年八月閉店、アルプス洋菓子店(⑫)は二〇一九年三月に閉店。洋菓子が少なくなってしまったこまごめで、ボンガトウは続いてほしいな。

 さつき通りと谷田川通りがぶつかるところを左に進むと、「駒込バーガー」で有名なKaFiRu(カフィル、⑬)が。魅力的な個人店が多い駒込の中でもダントツにお気に入りです。逆転クラブ(⑭)の焼き鳥の匂いをかぎながら、霜降橋交差点に到着。しもふり商店街のアーケードには、しもふり銀座のゆるキャラ「しーちゃん」と、二〇一六年に誕生したしーちゃんの子ども(?)「もーちゃん」が微笑んでいます。左隣は活気あるエネルギースーパーたじま(⑮)。

 妙義坂をのぼっていくと、左手には雑誌「栄養と料理」の出版社、女子栄養大学出版部のビル(⑯)。道を挟んで反対側には、学生や若い人でごったがえすJam coffee(⑰)。私はもう少し先にある茶色いビルの2階にある百塔珈琲(⑱)も好き。子育て地蔵尊(⑲)の先には、今は数が減っている産科のある病院、加塚医院(⑳)。三代続けて加塚医院で生まれている人もいるという歴史ある病院。

 坂を上りきると「はと公園」(染井吉野桜記念公園㉑)、そして駒込駅北口。

 今は当たり前のこの光景の描写が、数年後、数十年後にはとても懐かしいものになっているのかも。

織田博子(こまごめ在住のマンガ家)

こまごめニュース

★文京区の民間の有志の方たちが集まって「文京マルキュー応援団」が始まったそうです! 自宅療養者さんに、ボランティアの人たちが救援物資を代わりにお買い物してくれるという試み。コミュニティが緊急事態のセーフティーネットとして活躍する、素晴らしい事例ですね。
詳細はこちらからどうぞ!

★こまごめ通信がとしまテレビ「としま情報スクエア」で紹介されました! 

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こまごめ通信とは

 街を行きかうこまごめ人が、自分たちの好きな場所について静かに語る。こまごめへの愛をひっそり描く。

 この街で生活する人たちの息遣いが感じられるような、そんなコミュニティペーパーです。一年分の記事をまとめた冊子「こまごめ通信本①②」は、フタバ書店さんで販売中です。


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発行:こまごめ通信 編集部
編集:織田博子
校正:くれまちこ
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