駒込を愛する人びと「駒込人」が発行するこまごめ通信。駒込人お気に入りの人やお店、スポットをご紹介します。
師走。今年は寒い冬になりそうですね。東京でも雪が降るでしょうか。でも、駒込人の温かい心・熱い想いは、駒込を盛り上げるべく燃えています! 寒さ対策に、こまごめ通信。はじまり、はじまり~!
ブルックリンはいつも開いている
家の鍵を忘れて出かけてしまって、家に帰れない。携帯を取り出すと、電池切れ。雨まで降ってきた(傘は家の中)。途方に暮れる。
こんなついていない日は、カフェ・ポート・ブルックリン(MAP①)に行こう。きっと今日もやっている。そう思って夜の冬の冷たい雨の中、歩いてブルックリンに行く。夜の中オレンジ色の明かりがともっている。よかった、やっぱり開いていた。
こういうときに飲むのはココアに決まっている。オーナーのセキネコさんに「鍵を忘れてしまって散々だったんですよ」という話をする。
たっぷりのクリームが乗った温かいココアを入れてくれて、飲んでほっと一息。
家は開いてないけど、いつでもブルックリンは開いている。定休日はない(「家族を大切にしたいから」と、年末年始とお盆は休み)。
私はお店をやったことはないけど、個人店で毎日当たり前のように開いているということが、どんなに大変なことかは想像ができる。それでもセキネコさんは「毎日開けようと思って、なんとかやってきました」という。
いつでも開いていて、朝はさわやかな風を、昼はおいしいランチを、夜はあたたかい明かりを提供しているブルックリン。
家以外にこういう場所がすぐ近くにあるというのはとても安心できる。ブルックリンがあってよかった。
落ち着いたら「そうだ、大家さんに連絡すればいいんだ」と気づいて、その日は無事家に帰った。
織田博子(こまごめを愛するマンガ家)
駒込駅界隈
半世紀も前の駒込界隈の″風景”です。
本郷通り、山手線の線路を跨いで駒込駅にかかる橋(②)の上からは巣鴨方面に富士山が見えました。SLがやって来ると足元から煙りがもうもうと立ちのぼり、子供たちはその煙りを浴びてはしゃいだものです。
この橋のたもとにはトロリーバスの停留所もありました。
駅前から続く商店街では七のつく日には
″七の日”の縁日が出て、屋台がずらーっとたくさん並び、バナナのたたき売り、ゴリラ風船、カルメ焼き、虫を売る店では鈴虫の鳴き声なんかが聞こえてきたし、いろいろな形の″つりしのぶ”も売っていました。
金魚すくいはもちろんありましたが、同じ水槽に雷魚!なんかも泳いでいました。
今のような大型のショッピング施設もなく、商店街では魚屋、お菓子屋、乾物屋、下駄屋、カメラ屋……などそれぞれの店で買い物をし、レジ袋なんてないので買い物カゴを提げて行き、お豆腐屋へはナベを持参しました。レジで並ぶこともなく、店のおばさんが子供におまけをくれたりしました。
大通りではハシゴ乗りが高いところで芸を披露したり、時々大八車を曳いた馬車が通ったり、戦車!も見たことがあります。
チリンチリンといくつもの風鈴を鳴らして風鈴屋が通ったり、金魚鉢の水をチャプチャプ揺らして金魚屋が売りに来る脇をお蕎麦屋の出前や酒屋の御用聞きなどが通り過ぎていき、大きい荷物を背負った担ぎ屋のおばさんが歩いていました。
獅子舞や三河漫才もやってきたり、真夏には氷屋がのこぎりで氷を切り分けていました。
子供たちはメンコや三角ベース、そうそうフラフープやホッピングもやりました。通りから少し入れば原っぱがあり、紙芝居も毎日来て水あめやソースせんべいを食べながら「ライオンマン」なんかに見入っていました。サザエさんの漫画そのままでした……。
(断片的ですが、いくつか思い出話を書いてみました)
BUN(ライター)
駒込の南にタイあり。北にベトナムあり。
以前、駒込の南にあるサップというタイ料理屋をご紹介した。一方、駒込の北側、駅から旧古河庭園に向かう道の途中にはファミリーフーズ(④)というベトナム料理屋がある。そんなに古いお店ではなく、以前はゲームセンターのような場所だったと思う。それがまさかベトナム料理屋になろうとは……。
店内は広く、いい意味でチープな感じもあって、ベトナム料理独特の食材や調味料の袋も並び、とても雰囲気がある。こういうご時世なので、しばらく店内では食べられていないが、テイクアウトにも対応しているのがありがたい。その際にはタレが小分けにパックされていたり、汁気の多い料理は容器の上からラップを巻いてあったりして、こうした気配りには頭が下がる。
ベトナム料理というとフォーが有名ではないかと思うが、もしこのお店に行ったなら、私は是非ゴイという料理を食べて欲しい。私はこのお店で初めてゴイという料理を知った。ベースは野菜の甘酢和えような感じで、海老や牛肉などその他に入る具材で種類がいくつか存在する(豚の耳や牛の胃といった変わり種も!)。さっぱりとしていて、いくらでも食べられそうだ。
麺ものご飯もの以外にもメニューが豊富なので、揚げ春巻きや炒め物を夕飯のおかずとして買い足したり、バインミーを買って公園で食べるなんてこともいいかもしれない。そういった様々なスタイルを受け入れられる寛容さがファミリーフーズという店名に通じているのかもしれない。
呉 正平(ゴメスを溺愛する三十六歳)
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