駒込を愛する人びと「駒込人」が発行するこまごめ通信。駒込人お気に入りの人やお店、風景をご紹介します。
夏本番。公園や庭園など、緑の多いこまごめには蝉の鳴き声が響いています。にぎやかなBGMを携えて、今日もゆったり鼓動するまち。救急車のサイレンに、どきっとすることも多いですが、まちのリズムに合わせて深呼吸すれば、穏やかな気持ちが戻るかも。
学校への歩み(後編)
昭和四十一年に自費出版された「こまごめ」第三号に掲載されたエッセイの掲載許可をいただきました。
都電が走っていた時代のこまごめの景色が鮮やかに描かれ、まるで今一緒に登校しているような気持になるエッセイです。先月号に続く後編をどうぞ!
その時、ちょうど銀行の前の信号が緑になった。私の目の前を通っていた自動車群が横断歩道の前で急に止まった。私は胸をはって横断歩道を渡った。
母が良いと推薦した、そば屋を通って(本文欠損)
そのころ汗が一滴二滴と額ににじみ出てくる。駒込からの都電が「富士町」の所でとまる。見慣れた記章の帽子をかぶった学生が三人おりた。……私が五、六歩先に進んだとき都電は九中の前で待っていた人を乗せて過ぎ去っていった。
吉祥寺の手前で私はこの電車通りから中におれた。人通りは余りない。私の十メートル先に女学生がいる。その女学生は菓子屋の横の道を左におれていった。そこをまっすぐいって、私は東洋大学が目の前にそびえたつ所に出た。「あけぼの町」である。
右から巣鴨からの都電がひっきりなしにやって来る。今私の目の前を通り過ぎて行ったのに、もう次の都電が自動車の群れに交じってこちらへ向ってくる。その通りを横ぎっていなりずし屋の横の道に入った。傾斜のゆるやかな階段が私を目的地京華へと進ませた。
そこを右におれると東洋大学の学生が屋上で我れ我れを見下ろしている。そこを左におれると、女子高の生徒とすれ違う。向うから都電で来た京華の学生がやってくる。駐車場の所の出口をくぐって急な階段をおりる。そして人家と京華ではさまれた道を通って京華通りへと出た。
ツメエリの学生が京華の門をくぐった。そこで通称「ポチ」という守衛に何か注意されている。私も京華の門をくぐった。
元気なものだ!もう校庭でブレザー姿の学生がはしゃいでいる。
小川義多
お地蔵さまの縁
今年、旧古河庭園近くにあった居酒屋「ようき」さん、理髪店「NAGATA」さんの解体工事が始まったときはショックでした。いつか行きたいと思っていたのに、縁が無いままお店が無くなってしまうんだ……と。
なので、元のお店の近くに移転した「永田理容室」を見つけたときはうれしかった。(ようきさんも、どこかに移転していたりしないかしら……)
永田理容室との縁をつないでくれたのは、かつて本郷通り沿いにあった「ことぶき地蔵堂」。こちらも二〇一五年にお堂が解体されてしまったのだけれど、以前は、朝早くお地蔵さまのお世話をするNAGATAさんを、通勤途中よく目にしていました。
さほど信心深いわけではないのだけど、お地蔵さまを見ると、素通りできずつい手を合わせてしまう質。そんな訳で、お地蔵さまのお世話をするNAGATAさんに、勝手に好印象を抱いていたのです。
先日、二歳の息子の髪を初めて外で切るにあたり、永田理容室へ。念願叶いました。この縁、大切にしたいです。
くれまちこ(こまごめレベル中級ライター)
こまごめニュース
★七月三十日(土)、三十一日(日)にハンドメイドのマーケット「ひだまりマルシェ」が金魚亭さんで開催されました。
当日はフェルトケーキの作品やアクセサリー販売、アイシングクッキーのワークショップ、渋澤珈琲店さんの珈琲、リンパマッサージなど、楽しい出店が目白押し!
次回は九月十日(土)、十一日(日)予定とのこと。詳しくはInstagramをチェックしてみてください!
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